こんにちは。リキュアの堀ノ江です。
今回は病的疲労の一つである「うつ病」について書いていきます。
以前も取り上げた事がありますが、新しい発見があった為お伝えしていきます。
うつ病各仮説について
うつ病にはいくつもの仮説があります。
心因説、モノアミン仮説・セロトニン仮説、脳内炎症説があります。
まずはそれぞれについてどういったものなのかお伝えしていきます。
心因説:
この説はうつ病の原因は心理的な問題であるというよりは、そもそもうつ病は病気ではないとする考え方です。
つまり抑うつ気分や喜びの消失は病気ではなく、個性としてとらえる考え方です。
偉人の中にも芥川龍之介、太宰治、チャールズ・ダーウィンなどうつ病を患っていた方が多く、物事を深く考えているからこそ生じる事という考えです。
しかし心因説にしたがえば、うつ病を患っても基本患者の脳は変化しないという事になります。
モノアミン仮説・セロトニン仮説:
モノアミンとは脳内で働く神経伝達物質のうちドーパミン・ノルアドレナリン・セロトニンなどの総称です。
モノアミンは脳の機能を高め、気分を高揚させる効果があります。
他の薬の効果で脳内モノアミン濃度上昇による興奮したり陽気になる発見があり、脳内モノアミン濃度がうつ病に影響があるのではと考えられたのがモノアミン仮説です。
現在は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)により高い抗うつ効果を示す事が分かり、うつ病の原因が脳内のセロトニン不足と考えられたのがセロトニン仮説です。
しかし原因としては誤っていると考えられています。
理由は薬の効果が時間が経ってから出てくる事、またうつ病患者の脳内にモノアミンやセロトニンが不足している証拠がないためです。
脳内炎症説:
この仮説が現時点で最有力です。
脳内炎症により脳の免疫機能に関係するグリア細胞(ミクログリア、アストロサイト)での炎症性サイトカイン産生の亢進する事が原因と考える説です。
これは死亡したうつ病患者の脳の調査や、うつ病患者の検査(PET検査)、動物実験結果などの多くの検査からほぼ確かであるとされています。
しかしどのように脳で炎症が起こり、どのようにうつ病に発展しているのかのメカニズムが分かっていない問題があります。
うつ病の原因遺伝子~SITH-1~
うつ病の原因には2つの要素が必要です。
その一つが「素因」です。
簡単にいうとその病気にかかりやすい素質です。
今回でいうと「遺伝による影響」をいいます。
うつ病は遺伝率30~50%とされており、素因が一つの原因と考えられます。
では、どんな遺伝子がうつ病の原因になっているのか。
最近ようやく見つかったのが「SITH-1」という遺伝子です。
この遺伝子は染色体や細胞にある遺伝子ではなく、ウイルスの事をいいます。
実はヒトあるいは細菌叢に感染してヒトに影響するウイルス(バイローム)もヒトの遺伝子として扱われるのです。
このSITH-1はヒトの体内で潜伏感染しているウイルスやゆっくり増えながら長期間存在する持続感染を起こしているウイルス(潜伏感染・持続感染ウイルス)なのです。
最後に
一日の中でも気温変動が大きく、乾燥した気候にもなっております。
体調にはお気を付けてください。
次回、SITH-1がうつ病にどう関係するのか書いていきます。
ご興味ある方は是非見て下さい。
参考文献:「疲労とはなにか」 近藤一博 著
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