こんにちは。リキュアの堀ノ江です。
先日家族で出かけた際、息子を抱っこする機会が何度かありました。
よく右腕主体で抱っこするのですが、疲労が溜まり左腕に変えたんです。
すると右手を添えるようにして支えていても、左腕主体だと数分持ちませんでした。
どれだけ右腕に頼っていたか・・・・。体の偏りを痛感した一日でした。
さて、今回は実際に脳梗塞にかかった方にむけて、手を伸ばす動作ついてお伝えしていきます。
脳梗塞にかかり病院でリハビリを頑張ったけど、麻痺が残ってしまった方は多くいらっしゃいます。
むしろ脳梗塞にかかる前と同じレベルに戻る方の方が少ないです。
なぜなら脳梗塞により障害されたところは治らない状態ですので、脳梗塞になる前と同じ状態には戻れません。
前回のブログで失った機能の再構築のためにリハビリが必要とお話ししました。
再構築のために重要なのは反復練習と正しいトレーニング方法です。その中の正しいトレーニング方法について今回お伝えします。
*今回のお話の前提として病院でのリハビリを終え、退院された後のセルフエクササイズとしてお伝えします。そのため身体状況として椅子に安定して座れる、腕を肩まで上げる事が出来る、手のひらを天井方向に向ける事が出来る事を前提にお話ししていきます。
手を伸ばす動作ってどんな動作?
今回お伝えする手を伸ばす動作は物を取る時、タッチする時、運んでいる物を置くときなど様々な場面で登場する動作になります。
手を伸ばす動作を分解すると肩周りの筋肉で腕を持ち上げ、肘を伸ばして目的の場所まで手を運ぶ動作になります。
運動麻痺の方が大変と感じることの一つとして肩と肘の動きがスムーズにいかない事があります。
というのも、筋力低下・可動域の制限以外にも今まで培ってきた運動のパターンを再構築しなければいけないからです。
筋力や可動域は単純な筋力強化や可動域運動をやり続けていく事が必要になります。
運動パターンも同様ではありますが、意識する事があります。
それは実際の環境を意識することです。
どんな時に必要な動作なのか、実際の環境はどうか(テーブルの高さ、スイッチの高さ、それぞれの距離感)などです。
これらにより必要な距離、角度、筋肉が頑張るタイミング等変わっていきます。
どんな運動が良いか
私がお伝えするのはボールを使った運動になります。
この運動は腕を持ち上げる負荷(重力による負荷)を減らした状態で動作する為の運動です。
用意するもの:ボール(100均にあるカラーボールがオススメ)、机、椅子(高さ調整出来ると便利)、手を伸ばした際に対象にするもの
方法:
①対象物をセットします。(目標の角度に設定出来ると良い)

②机に置いたボールの上に前腕(肘~手首の間)を置きます。この時ボールは運動する側の腕の前に位置します。

③ボールの上を滑らせるように肘を伸ばしていきます。この時に触るもの(対象物)を見ながら行います。

④対象物に触り、肘を曲げながら元の位置まで戻します。
→これを反復して行います。
次にボールから腕を少し浮かせながら行います。
つまり重力による負荷を増やしていくのです。これにより腕を上げる要素も鍛える事が可能です。
最終的には支えがない状態で行えるといいですね。
回数:明確な数字は有りません。
オススメは時間を決める事です。
例えば3セット行うとして5分間で何回できるか計る。次のセットでは更に上を目指す。最後のセットではもっと多くと意識すると良いです。
ポイント:
対象物を見ながら行う事が大事です。対象物を目で確認する事で、視覚を通しての動作の修正が出来るからです。
またリズムに合わせて行うと更に良いです。(メトロノームのアプリなど)
聴覚を刺激しながら運動の速度、力を入れるタイミングなどが学習でき肩・肘の連動した動きが作られやすくなります。
覚えておいて頂きたいことは、環境を意識した運動を行うと言う事です。
これを意識出来ているかどうかで実際に利用できる動きになるかは大きく変わります。
また手を伸ばす動作はお腹周りや足の支えの状況によっても行いづらい可能性がありますが、一度試してみて下さい。
私も偏りをなくす為に、左腕で荷物を運ぶなどやってみようと思います。
皆様の健康をお祈り致します。
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