こんにちは。リキュアの堀ノ江です。
前回脳梗塞になる要素の一つ、高血圧についてお話しました。
今回は脳梗塞発症後のリハビリについてお話します。
私事ですが、昨年まで訪問リハビリの仕事に就いていました。
脳梗塞後に麻痺が残って生活動作が大変な方を担当させて頂く機会があり、その時はご家族も麻痺が重く残った状態で生活に戻る事を想定しきれておらず、家に帰った後の介護が大変になったケースがあります。
皆さんは脳梗塞後の経過についてどれくらいご存じでしょうか。
脳梗塞になってからのリハビリの流れ

上の図のように急性期、回復期、維持期というように経過していきます。
病院では6ヶ月を目途に回復を目指していき、社会復帰後は状態により機能維持の為のリハビリが行われていきます。
脳梗塞後は機能できなくなった一部の脳からの連絡が取れない状態になります。
今まで列島だったのが、切り離されて孤島になり無人島のようになります。そしてその無人島にはどうやっても連絡する事が出来ない状態です。
連絡出来なくなった一部の脳が担ってた役割をどうするのか・・・・
脳の回復・・・?
結論から言うと脳の細胞が死んで(脳細胞壊死)機能できなくなった場合、回復して元通りになる事は残念ながらありません。
ですが、脳は神経の塊です。つまりネットワークがあります。一部の脳が使えなくなっても、他の部分でネットワークを再構築して失った機能も再構築するのです。
しかしこの再構築は一筋縄では行きません。重要な要素があります。
それが正しいトレーニング、反復練習です。
これは脳梗塞になった脳に限ったことではなく、正常な脳でも同じことです。
最初はお箸がうまく使えなくてもいつの間にか使えるようになっていませんでしたか?
これは圧倒的な反復練習とご両親が口酸っぱく正しい持ち方を伝えてくれた賜物なのです。
これを今度はドクター、ナース、リハビリスタッフなどがチームに加わり、プログラム作成やリスク管理をしながら進めていきます。
大切なこと
脳は神経ネットワークの再構築により回復の希望があると話しましたが、重症度によっては回復が難しい方もおられます。
そのような方にはドクターの方から前もってお話があるかと思いますが、そのような時のために覚えておいて欲しい事があります。
冒頭でもお話させて頂いたケースですが、大切だと感じた事があります。退院後の生活をイメージして心構え・行動をする事です。リハビリの進行具合、生活に戻った後の対応など不安な事を医療スタッフにしっかり伝えてください。これをすると医療スタッフにご家族が抱える悩みが直に伝わります。医療スタッフもご家族が今どんな心境で何が必要なのかを把握できます。そのうえでどんな対応をするべきか、何をお伝えするべきかが明確になるのです。
スタッフの方々に頑張ってもらっているから口だしするのが心苦しいと思われたり、面倒な家族だと思われたらどうしようと中々言えずにいる方も多いと思います。しかし、退院後に介護やサービス利用の契約など対応するのはご家族になります。出来る事をやって備えるのはとても必要な事ですし、ご本人・ご家族の生活をより良い物にするためにするべき事だと感じました。
また、担当する病院やスタッフは一期一会です。なかには相性が悪いケースもあります。そのように感じた時は違う病院に相談するのも良いと思います。セカンドオピニオンというやつですね。実際にそれで転院されてご家族の状態が良くなった方もいます。
今後このような機会が無い方がいいですが、もしその機会が訪れた時「こんな記事があったな」と思い出して頂けると幸いです。
また現在リハビリ奮闘中の方やご家族の助けに少しでもなれば幸いです。
皆様、ご家族の健康をお祈りいたします。
参考文献:病気がみえる vol.7 脳・神経 第1版 監修:尾上尚志 等 編集:医療情報科学研究所
ご相談はリキュア銀座院・横浜中山院まで

ご予約はこちら⇓