こんにちは
リキュア横浜中山院の池田です。
前回の記事では、心肺蘇生法(胸骨圧迫・人工呼吸)やAEDの使用方法、小児・乳児に対する心肺蘇生についてお話ししました。
救える命を救うために① ~応急処置の必要性~
救える命を救うために② ~心肺蘇生とAED~
今回は、救命講習で学んだ『気道異物の除去法』と『止血法』について解説します。
これらの応急手当も、いざというときに適切に行うことで、命を救う大きな助けになります。
気道異物の除去法
『気道異物除去』とは、主に食べ物や異物が気道に詰まり、呼吸ができなくなった場合に行う応急処置です。
詰まってしまう原因としては、食べ物を急いで飲み込んだり、話しながら食事をしたりすることで、喉にものが詰まることが多くあります。
特に高齢者や子どもに多く見られる状況です。
気道に異物が詰まったとき、すぐに適切な対応をしないと、呼吸ができずに酸素不足に陥り、命の危険が生じることがあります。
それでは気道異物が詰まった場合の対処方法をご紹介します。
咳をする
まずは『咳』をすることが出来れば、咳が異物除去に最も効果的です。
出来る限り咳をさせます。
咳も出来ずに窒息していると思ったときは、傷病者に「喉が詰まったの?」とたずね、声が出るか確認し、声を出せずにうなずく場合は以下の気道異物除去の対象となります。
背部叩打法
成人・小児はまず『背部叩打法』を試みます。

① 傷病者を前かがみにする
前かがみの姿勢をとらせ、異物が自然に出やすくする体勢を整えます。
乳児の場合は、腕にうつ伏せで寝かせ、頭を少し低くします。
② 背中を叩く
傷病者の肩甲骨の間(背中の上部)を手の付け根で数回強く叩きます。
これにより、気道の圧力が一時的に高まり、異物を押し出す効果があります。
叩く回数は5回を目安とし、異物が出ない場合は次の『腹部突き上げ法(ハイムリック法)』を試みます。
腹部突き上げ法 (ハイムリック法)
『腹部突き上げ法 (ハイムリック法)』とは、腹部を強く押し上げることで、気道に詰まった異物を取り除く方法です。
この方法は、異物が完全に気道を塞ぎ、呼吸ができないと判断された場合に使用します。
ですが乳児や小さな子供、反応のない人や明らかに妊娠していると思われる女性、高度な肥満者には実施しません。

① 背後から抱える体勢をとる
傷病者の背後に回り、両腕で抱えるようにします。
片方の手で握り拳を作り、その拳の親指側を傷病者のへその少し上、みぞおちのあたりに当てます。
拳が剣状突起や肋骨に当たらないように注意します。
もう片方の手で作った拳をしっかりと握り、体を密着させます。
② 強く押し上げる
拳を使って、素早く力強くお腹を上方向に瞬時に引き上げます。
これは、横隔膜を急激に持ち上げることで気道の圧力を高め、詰まった異物を押し出す効果があります。
この動作を異物が取り除かれるまで繰り返します。
異物が除去できても、内臓を損傷している可能性があるので、医療機関で受診する必要があります。
もし、これでも効果がなかった場合には救急要請を行い、反応がなくなった場合には胸骨圧迫に移行します。
自分での対応
周りに誰もいない状況で自分自身が気道に異物を詰まらせた場合、一番最初にやって頂きたいのが同じく『咳をする』です。
咳が出なかった場合は、椅子の背もたれやテーブルの角など、自分のお腹に当てられる場所を使い、腹部突き上げ法と同様に強く圧迫することで異物を押し出すことが可能です。
気道異物が詰まった際の対応は迅速である必要があり、呼吸ができなくなる時間が長引くほど脳や他の臓器にダメージを与えるリスクが高まります。
周りにいる人々が適切な応急処置をできることが、非常に重要です。
止血法
次に、怪我や事故などで出血が発生した場合の『止血方法』についてご説明します。
止血は、大量出血を防ぎ、命を救うために非常に重要な手技です。
特に、動脈などからの出血では、短時間で大量の血液が失われ、命に関わる危険があります。
そこで、適切な止血法を知っておくことが不可欠です。
直接圧迫止血法
最も基本的で一般的な止血法が『直接圧迫止血法』です。
これは、出血している部位を直接手や布で圧迫することで、血管を物理的に抑え、出血を止める方法です。
① ガーゼや清潔な布で覆う
出血している箇所に、できるだけ清潔なガーゼや布を当てます。
包帯があればそれを使用するのが理想ですが、応急的にはタオルや衣服の一部でも構いません。
② 強く圧迫する
手のひらでしっかりと強く圧迫します。
圧迫する力を緩めずに、数分間その状態を保ちます。
必要に応じて、圧迫している布やガーゼをさらに重ねても構いませんが、初めに当てたものは動かさないように注意してください。
③ 圧迫を継続する
圧迫は、出血が止まるか、救急隊が到着するまで続けます。
止血が確認できた場合でも、無理に手を離さず、適切な固定がされていることを確認してから次の行動に移ります。
間接圧迫止血法
もし、直接圧迫しても出血が止まらない場合や、出血が非常に激しい場合は、『間接圧迫止血法』を用います。
これは、出血している場所よりも心臓に近い部位の動脈を圧迫して、血流そのものを減少させる方法です。
① 動脈を圧迫する
出血している部位に応じて、主な動脈を手で押さえます。
例えば、腕からの出血の場合は、上腕の内側にある上腕動脈を圧迫します。
足からの出血では、鼠径部にある大腿動脈を圧迫します。
② 持続的に圧迫
こちらも、圧迫を継続しながら、出血が治まるか救急隊が到着するまで待ちます。
最後に
今回は、気道異物の除去法と止血法について詳しくご紹介しました。
いざという時にこれらの手技を知っていることで、家族や友人、周りの人々を救うことができるかもしれません。
救命講習はお近くの地域の消防署で実施されています。
今回私たちが受けた講習は所要時間は約3時間でした。
費用はテキスト代(1500円)だけです。
応急手当の知識と技術は、定期的に学び、復習することで、自然と身につけることができますので、是非一度受講してみてください。
お身体の悩みや不調は、リキュア横浜中山院までご相談ください

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