こんにちは
リキュア横浜中山院の池田です。
先日、リキュアスタッフ全員で消防署にて『救命講習』を受けてきました。

昨今、大地震や大型台風、集中豪雨などいつ何が起こるかは誰にも予測できません。
また、交通事故や突然の病気、転倒など、身近なところで命に関わる緊急事態が起こる可能性は常にあります。
こうした場面で『応急手当』ができるかどうかが、その場にいる人の命を救う鍵になります。
講習で学んだことを振り返りながら、応急手当の重要性と具体的な方法についてご紹介していきたいと思います。
応急手当の目的と必要性
まず、応急手当とは何かというと、医師や救急隊が到着するまでの間に、傷病者(けが人や病人)に対して行う初期の処置を指します。
これには、出血を止めたり、呼吸を確保したり、心肺蘇生を行ったりすることが含まれます。
応急手当の主な目的は、大きく次の3つに分けられます。
①命を救うこと
最も重要な目的は、生命の維持です。
例えば心停止や呼吸停止のような緊急事態では、迅速な対応がその人の命を左右します。
救急隊が到着するまでの数分間、適切な処置を施すことで、救命率が大きく変わることが多いです。
②状態の悪化を防ぐこと
けがや病気によって状況が悪化しないようにすることも、応急手当の重要な役割です。
例えば、大量出血を伴う外傷では、止血を行うことで失血死を防ぐことができます。
また、骨折や捻挫のような場合でも、適切な固定を行うことでさらに悪化するのを防ぎます。
③苦痛を軽減すること
けがや病気によって苦しんでいる人に対して、少しでもその苦痛を和らげるための処置を行うことも応急手当の目的の一つです。
例えば、冷やす、固定する、保温するなどの処置は、痛みや不快感を軽減するだけでなく、症状の進行を抑える役割も果たします。
また「頑張ってください」「すぐに救急車が来ます」など励ましの言葉をかけるようにします。
応急手当の重要性
応急手当ができるかどうかは、その場にいる人の命を救うだけでなく、傷病者の回復にも大きく影響します。
特に心停止や呼吸停止のような緊急事態では、救急隊が到着するまでに何らかの手を打たないと、傷病者の脳への酸素供給が止まり、深刻な後遺症が残る可能性があります。
救急車が要請を受けてから現場に到着するまでの平均時間は東京都内で7〜8分です。
そして救急車が到着してから実際に救急隊員が傷病者に接触するまでさらに数分を要します。
下の救命曲線によると、心臓や呼吸が止まった人の命が助かる可能性は、その後の約10分間に急激に少なくなっていきます。

このような緊急時の対応において、誰でもできる基本的な応急手当がとても重要です。
例えば、心肺蘇生法(CPR)やAEDの使用は、多くの命を救う手段となります。
しかし、これらは練習や知識がないと、いざという時にすぐに行うことが難しいため、定期的な講習を受け、知識と技術を更新しておくことが大切です。
突然死を防ぐために
成人が突然死する原因には主に『急性心筋梗塞』と『脳卒中』があります。
これらは生命に重大な危険を及ぼす病気ですが、早く治療をするほど助かる可能性が高くなります。
急性心筋梗塞
急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る血管が詰まり、心筋への血流が途絶えて心筋が障害されてしまう病気です。
次の症状が急に現れます。
・胸の真ん中に強い痛み
・肩や腕、顎にかけての痛み
・胸が締め付けられるような重苦しさや圧迫感
・息苦しさ
・冷や汗
・吐き気
・立っていられない
※症状の強さには個人差があり、高齢者や糖尿病の人では症状が軽く、分かりにくいことも少なくありません。
脳卒中
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりする病気です。
脳卒中には、『脳梗塞』、『脳出血』、『くも膜下出血』があります。
【脳梗塞】
血管が詰まり、脳への血流が途絶えて脳細胞が障害されてしまう病気です。
次の症状が急に現れます。
・体の片側に力が入らない、しびれを感じる
・ろれつがまわらない
・ものが見えにくい
・反応がない
【脳出血】
脳の中で血管が破れ出血し、周囲の神経細胞が破壊される病気です。
脳梗塞と同じような症状が現れます。
【くも膜下出血】
脳の血管が破けて脳の表面に出血する病気です。
原因として最も多いのは、脳の動脈のこぶ(脳動脈瘤)の破裂です。
症状の特徴は生まれて初めて経験するような激しい頭痛が急に出現することです。
その他の突然死の原因
『高齢者の窒息』、『入浴中の事故』、『熱中症』なども突然死の原因であり、予防することが重要です。
『運動中の心停止』は人前で起こることが多く、電気ショック(AED)が効果的で適切に対応すれば後遺症を残しにくい特徴があります。
傷病者本人は、前記の症状を重大に考えない場合があります。
しかし、前記の症状が急に起きたなら突然死を防ぐためにもすぐに救急車を依頼してください。
また、周囲の人は救急車が到着するまで傷病者に付き添い、反応がなくならないか注意深く観察してください。
次回は、具体的な救命処置である心肺蘇生法(CPR)とAEDの使用方法について学んだ内容をまとめたいと思います。
お身体の悩みや不調は、リキュア横浜中山院までご相談ください

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