こんにちは。リキュアの堀ノ江です。
今回はうつ病の環境因についてお伝えしていきます。
素因だけではうつ病を証明できない
前回のブログでお伝えしたようにSITH-1は嗅球という部位でカルシウム濃度を上昇させ、結果アポトーシスを誘発します。
その結果うつ症状が出現します。
しかし、うつ病は病的疲労に分類されており、病的疲労の特徴として脳内炎症が起こっている必要があります。
ここで問題なのが、動物実験でSITH-1によりアポトーシスは誘発されたが、脳内炎症は確認できなかったのです。
つまりSITH-1だけでは説明がつかないということです。
類似したタンパク質S-1
S-1タンパク質はSITH-1同様、細胞内カルシウムを増加させる機能があります。
動物実験ではS-1タンパク質により、SITH-1同様にアポトーシスを誘発し、うつ症状が誘発されました。
また脳内炎症が見られたのです。
では、S-1とSITH-1の違いは何か。
それは火種となる炎症性サイトカインが発生していたかどうかです。
S-1タンパク質を発現させたマウスでは炎症性サイトカインが肺で産生されていました。
脳内ではなく、体の一部で産生した炎症性サイトカインが最終的に脳にまで入り炎症が起こっていたのです。
環境因「疲労」
うつ病はどのように脳内炎症を起こしているのか、タイトルにもあるように答えは「疲労」です。
動物実験で薄く水を張った飼育ゲージでSITH-1を発現させたマウスを飼うことで、睡眠不足にします。
するとこのマウスに脳内炎症が起こっていたのです。
火種となったのは疲労負荷によって誘導されたeIF2αリン酸化による炎症サイトカインです。
(https://www.re-cure.jp/cms/wp-admin/post.php?post=1655&action=edit
ブログ「疲労と疲労感~定義と対策~」に詳しく書いております)
まとめ
うつ病は素因(SITH-1)と環境因(疲労)によってうつ症状、脳内炎症が起きている病態であると考えられます。
今後は判明して来たメカニズムから、どんな対応が出来るのかを考える段階です。
最後まで見て頂きありがとうございました。
参考文献:「疲労とはなにか」 近藤一博 著
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